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愛するペットの葬儀について

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 あなたの愛するペットが亡くなれば、とても辛くて悲しいものですね。たくさんの楽しい思い出をあなたに遺してくれた、大切なペットのために綺麗に最後を飾ってあげましょう。最近、大阪や東京と云った都会では、ペット火葬の需要が高まっています。ここでは、ペットに対する心のこもった弔いの手順、そしてその後の心のケアについてなどをご紹介します。

コンテンツ

ペット火葬について

 それほど遠い昔ではありませんが、飼い犬と云われた頃、犬は犬小屋で寝て、飼い猫でさえ普段はその辺をうろついて、家を出たり入ったりの生活をしていました。彼らが亡くなると裏庭や近くの山間部に埋められて葬られたものです。
 ところが最近、特に大阪や東京のような都会ではこの十数年で事情は大きく変化してきたようです。住宅の洋式化、マンションの増加、ペットと呼ばれるようになってからの意識の違いなど、社会全体が彼らの社会的な地位を大きく上げてきました。
 ペットはいつしか家族の大切な一員となって、家の中で家族と共に暮らし、食事も専用のペットフードを与えられるなど、生活環境が大きく変わって来ました。当然のように寿命は延び、飼育頭数も大きく伸びることになり、犬猫の飼育頭数は15歳未満の子どもの数よりも、はるかに多くなる時代になったのです。
 そのように家族同然の大切なペットが亡くなった時には、他の家族と同じようにペットを火葬して、納骨、埋葬して供養するのが当然だと云う文化が生まれてきたのです。

ペットの寿命は人よりは短い

 いくら食事が良くなり、快適な環境で過ごしても、一般的にペットの寿命は私たち人間より遥かに短く、儚いものです。ネズミのような小動物で1年、ウサギで8~9年、猫15年、子犬で10数年、中型犬で10年チョット、大型犬10年と云われています。従って、新たにペットを飼おうと決めたあなたには、やがては彼らを看取って供養する日が来ると云う認識を持っておく必要があります。最近は優れたペットフードがあり、家の中で安全に暮らせて、動物病院の設備も充実して、彼らの寿命も一昔前と比べれば大きく伸びては来ましたが、あなたの好むと好まざるにかかわらず、お別れの日が間違いなくやってくるのです。
 不幸にして大切なペットが亡くなったなら、まずあなた自身の心を落ち着けて、永くあなたを癒してくれたペットに、最後のありがとうの気持ちで接してください。きっとあなたのペットもそれを望んでいることでしょう。

ペットが亡くなったら先ず、すること

安置しましょう

 日差しの当たらない涼しい場所を選んで箱か袋に入れ、死後しばらくは体液が出る場合もあるので、毛布やタオルを敷いてあげましょう。ペット専用の棺を売るお店もあります。

冷やしましょう

 濡れた布やタオルでペットの体を清めます。暑い季節には氷や保冷剤を袋に詰めて、体を冷やしながら、出来るだけ早く手足をゆっくり身体の方へ曲げてあげましょう。特にお腹や頭を中心に冷やすのが効果的でしょう。夏場では一日、冬場でも二日ほどで腐敗が始まるので、なるべく早く冷やしてあげましょう。また、目を開けている場合は優しく閉じてあげてください。

葬儀前の準備にかかりましょう

 愛用品など一緒に燃やしてあげる物を選んでおきます。お花などを手向けて、お別れのときを待つのが良いですね。

ペットと一緒に火葬出来るもの

・お花
・好きだった食べ物
・小さな愛用品(金属やプラスチック製品などは火葬が出来ません)

連絡しましょう

 一般的にご遺体はペット火葬専用施設(ペット霊園など)で火葬されます。サイトなどで検索して、近くのペット霊園やペット火葬が行えるペット葬儀業者に連絡しましょう。
ペット葬儀・霊園ネット:http://www.petsougi.net/flow/flow01.html

ペット火葬の種類

 ペット火葬の種類は一般的に、合同火葬、個別火葬、立会火葬、特別火葬の4種類があります。

合同火葬

 他家のペットと一緒にまとめて火葬される方法で、お骨が混じり合うので、お骨は返されません。通常そのまま合同供養塔と云う大きなお墓に共同埋葬されます。

個別火葬(個別一任火葬)

 霊園スタッフが施主様のペットだけを預かって単独で火葬し、骨壺に入れて、納骨堂へ納骨するか、後日ご返骨するかを選択出来ます。

立会火葬(個別立会火葬)

 施主様にもペット霊園に来ていただき、ペットの火葬に立ち会っていただき、お骨拾いをしていただく火葬方法です。火葬時間は通常1~2時間かかり、読経をしていただく場合もあります。

特別火葬

 ペット霊園の中には、施主の要望に合わせて特別なペット火葬やペット葬儀を行うところもあります。例えば、お通夜葬や豪華な祭壇を設置したりなど、いろんな工夫を凝らして施主のニーズに合ったペット火葬やペット葬儀を行います。

ペット霊園とペット移動火葬車について

ペット霊園

 ペット火葬を行う施設はペット霊園と呼ばれ、火葬炉、納骨堂、供養塔、待合室、お別れ室、駐車場などの設備を備えているのが一般的です。通常、同じ敷地内で葬儀、火葬、納骨、埋葬、供養を行うようになっています。ペットが亡くなった場合、自宅まで迎えが来ますので、その時にセレモニーを行うなど、あなたの意向を伝えて相談すればよいでしょう。

移動火葬車

 一方で、最近火葬炉を積載した車(移動火葬車)が施主の自宅まで伺って、その場もしくは近隣で火葬すると云うシステムが見受けられるようになりました。料金が安く簡易にペットを火葬したい方には有益で、夜間、早朝に対応する葬儀社も多いようで、利用される方が増えています。ただ、火葬する場所の問題で、ご近所への配慮と云う点では充分に配慮が必要です。また、専用の施設が無い場合は、火葬後の納骨、埋葬、ペット供養と云う点で課題が残るので、最寄りのペット霊園と提携などがなされている方が望ましいですね。

ペット火葬のメリット・デメリット

メリット

 全国各地にあるペット霊園から、最寄りのペット霊園を選んで葬儀を行えば、火葬、納骨、埋葬を一括して済ませられ、供養祭なども定期的に行われて便利です。ご自分の都合に合わせてお参りをして、合同供養祭などでは同じ境遇の方々と横のつながりも出来て、愛するペットを亡くした悲しみを和らげることが出来るでしょう。

デメリット

 人の葬儀に比べれば比較にならない低コストですが、それでもペットの火葬にはそれなりの費用が掛かるのは事実です。自宅の庭に埋めることが出来る方ばかりとは限らず、遺骨を引き取った後、途方に暮れる方がいるのも現代です。

トラブルを回避するために知っておくこと

合同火葬ではお骨が戻ってこない

 大切なペットを火葬した後、たまにある話ですが、「お骨を残すようにしておけばよかった」と云う後悔を耳にします。これはペットの火葬の方法によってお骨が手元に戻ってくる場合と、戻ってこない場合があることから起こる問題です。人の火葬と違ってペットの場合は、「合同火葬」と云われる火葬の仕方があって、比較的低料金で行われますが、他のペットと一緒に火葬されるので、お骨の区別がつかず、お骨があなたの手元に帰ってくることはないことを知っておいてください。「個別火葬」や「立会火葬」ならば単独での火葬なので、お骨はあなたの手元に戻ってきます。火葬が終わってしまってからでは、取り返しがつかないので、必ず事前に確認することをお勧めします。

料金は確認しましょう

 火葬が終わってからトラブルにならないよう、事前に火葬の内容や価格の正当性などを、サイトなどで調べて、ご自分が納得のいく契約をしましょう。

ペット霊園の選択は慎重に

 ニュースでご存知のように、枚方のペット霊園が突然閉鎖し、多くのペットの遺骨をそのまま放置し、元の飼い主の方々が途方と悲嘆に暮れていたと社会問題になりましたね。
この様なケースは極めてまれなことだと思いますが、ペット霊園を選ぶ場合には、その施設の設備や環境、評判などをサイトなどで十分に検討、確認されることが求められます。

ペット火葬の料金

 ペットの火葬料金はペットの大きさ(体重)、火葬の種類で異なります。大きいペットほど料金は高くなり、火葬は合同葬より個別、それより立会の場合の方が費用負担は大きくなります。

小動物~小型犬のペット火葬費用

 

~2kg

2~5kg

5~10kg

 

小鳥、ハムスター、リス、モルモット、フェレット等のイタチ科

猫、ウサギ、超小型犬(チワワ、トイプードル、ポメラニアン等)

小型犬(コーギー、ミニチュア・ダックスフンド、ビーグル等)

合同火葬

12,000円~

16,000円~

20,000円~

個別火葬

17,000円~

21,000円~

25,000円~

立会火葬

19,000円~

23,000円~

27,000円~

訪問火葬

15,000円~

18,000円~

22,000円~

中型犬~超大型犬のペット火葬費用

 

10~25kg

25~40kg

40kg以上

 

中型犬(柴犬、フレンチブルドッグ、ダルメシアン等)

大型犬(ラブラドル・レトリバー、秋田犬等)

超大型犬(土佐犬、グレートデン、セントバーナード等

合同火葬

30,000円~

40,000円~

50,000円~

個別火葬

35,000円~

45,000円~

55,000円~

立会火葬

37,000円~

47,000円~

57,000円~

訪問火葬

32,000円~

42,000円~

52,000円~

※この料金表はあくまでも目安となるもので、読経、納骨、返骨などの料金は含まれていないので、正確な費用につきましては直接ペット葬儀施設に問い合わせてください。
※訪問火葬は移動火葬車が自宅又は自宅近辺に訪問し、積載された火葬炉で火葬します。

想い出グッズのいろいろ

 残された家族が悲しみにくれないように、様々な想い出のグッズを用意しているペット専門葬儀社もあります。
① スワロフスキーホルダー
「かばん」や「携帯電話」などに付けられる可愛らしいお手元供養のキーホルダーです。

② お手元供養のメモリアルカード
大切な日(誕生日や亡くなった日)が記録されたカードです。お財布などの中に入れておけば、いつでも「あなた」を見守ってくれます。

③ 天国へのお数珠
  大切な我が子の天国への旅立ちに祈りを込めて、一緒に火葬します。

④ 火葬と共におやつセット
元気に天国へ旅立てるように、豪華なおやつセットをプレゼントしてくれる葬儀社もあります。

⑤ 粉骨
自宅で供養が出来るように、お骨を小さく粉状にして、小さな骨壺に収めるサービスを行ってくれる処もあります。

⑥ お守りカプセル
バッグなどに取り付けてお手元供養が出来るカプセル状のお守りです。

⑦ 骨覆い袋
  自宅供養の際、可愛い模様が描かれた袋が我が子を優しく包みます。

⑧ 手元供養手帳
  お手元サイズで、いつでも身近で開いて供養できる手帳型のお位牌です。

⑨ お位牌
顔写真がはめ込まれた重量感のあるお位牌です。

⑩ 自宅供養セット
自宅で供養できるように、ろうそく立など供養に必要な物がセットになっています。

ペットがしてほしい最後の3つのお願い

からだをなでてほしい

 普段触られて喜んでいたところを、たくさん触ってあげてください。例えば首元やおなかなど、気持ちよさそうにしていたところなどを思い出してみましょう。あなたが傍にいることを肌で感じ、何よりも一番安心することでしょう。

名前を呼んでほしい

 最後に臨んで普段聞き慣れない、「しっかりして」や「死なないで」と声をかけるより、毎日聞き慣れたその子の「名前」を呼んであげた方が安心して旅立てますよね。

ずっとそばにいてほしい

 ペットにとって、あなたは心を開ける唯一の存在です。あなたが一人で病院のベッドで苦しんでいる時を思ってください。家族に会いたい、最後に言っておきたい、一緒にいてほしい、ペットも同じ気持ちです。少しでも長く傍にいてあげてください。

ペットが亡くなった悲しみの向き合い方

 愛するペットを亡くした後の、心に穴が開いたような喪失感や、心の痛みとどう向き合って行けばよいのかを考えて行きましょう。

亡くなったペットへ手紙

 生きている時に伝えられなかったことを言葉にして、想いを伝えましょう。心のつながりや絆が今も存在し続けることを表せます。

想い出の品やアルバム

 思い出して悲しくなると心配するよりは、愛するペットとのつながりを保ち、思い出を語るきっかけになります。

絵をかき、コラージュなどを作る

 想いを言葉で表すのが難しい時は、絵やコラージュなどであなたの思い出をあらわしましょう。

悲しみと向き合って解放することも大切です

 信頼できる人や親しい人に気持ちを聞いてもらいましょう。一人静かに自分を見つめ直せば、いろんなことに気づくかもしれません。たくさん涙を流すことは、心に溜まっていた物も洗い流してくれるものです。でも、ずっと悲しみに暮れてばかりいると、健康には良くありません。家事や仕事に集中して、悲しみから離れる時間も大切にしましょう。

周囲を信頼し、サポートを受けることだって大事です

 家族や友人などに、助けを受けても良いのですよ。いつか、あなたがお返しできることがあるはずですから。

自分を大切に

 ペットロスに陥って、ついあなた自身をおろそかにしていませんか?どうか自分をいたわり大切にしてください、亡くなったペットもそれを願っているはずですから。

ご家族・知人の方のペットロスを気に掛けるあなたに

 良かれとかけた言葉でも、相手を傷つけることがあります。悲しみに暮れる人の話にはじっと耳を傾け、その想いをくみ取ることが大切なサポートになります。耳を傾けることが80%。話すことが20%、これを意識して接してあげましょう。相手の話に寄り添い、その方の愛したペットとの思い出を分かち合うことが大きなサポートになることでしょう。

いかがでしたか、
愛しいペットとの別れは、心のこもったものにしたいですね。
是非、参考にしてみてください。

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