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お葬式を行う本当の意味って?
この記事を閲覧するようなあなたは、もう一度や二度のお葬式の経験をなされた方と思いますが、どうですか。故人との最後のお別れの場に立ち、悲しみにくれたことでしょう。
人として生まれて避けては通れない死には、亡くなった方と関わりあった人たちとの別離が必ずつきものです。そこに死者を偲び、送り出す会として行われるのがお葬式、つまり葬儀です。日本でも死者を葬る儀式として、形式は違っても旧石器時代から行われて来ました。一般的には死者とのお別れ、悲しみの場と考えられていますが、他の国では新たな旅立ちの門出の祝いの場として盛大に葬儀を行っている処もあるようです。我が国における現代の葬儀は、身内家族・親族とのお別れの場であるとともに、社会的には誰が亡くなったと云う通知や、処理や後継の披露などの場となっております。
また、葬儀は生と死について、あらためて考えさせる機会となっています。人は他の人の死に直面して、自分が生きていることの意味や人生、生き方を考え直します。葬儀は悲しいものではありますが、故人が生きた証しを残す場であり、また残された人がメッセージを受け取る大切な場であると云えます。
葬儀の準備
お葬式の準備は、他の式典とは違って突然訪れるものですから、難しく慌ててしまってスムーズに進まないことがしばしばありますね。それに人の死に直面している上に、心身共に疲れて冷静な判断がつき難くなっています。ですから、そうならないためにも、日頃から家族の間で万が一の時のことを話し合っておくのも一つの考え方です。以前なら、日本人は不謹慎なことや縁起を気にするあまり、生前に死や葬儀について話すことは避けてきたものです。でも、現代社会においては、少子高齢化が進んで核家族の増加の問題からも、自分や身内の死期について考える必要があると云えます。最近は「終活」と云って葬儀セミナーやサークルなどの活動も盛んに行われています。このように普段から万が一に備えておけば、その負担は軽減されることでしょう。
・身内が亡くなった場合の準備
まずは何から準備を始めればよいか冷静に判断しなければなりません。大抵、病院か自宅で亡くなることになりますが、そのご遺体をどうするかを考えることから始まります。
- 病院でなら、自分たちで搬送するか、葬儀社に頼むか、またどこに安置するかなどを決めます。
- 葬儀社を決めて式場の確保や日取りなどの打ち合わせを行い、葬儀を仕切る喪主を身内より決めます。
- 故人の友人や知人に連絡をとって、通夜や葬儀の日程を伝えます。
- 通夜は亡くなった翌日、葬儀は翌々日に行うのが一般的ですが、多少日取りが変わることもありますが、その場合でも遺体の安置場やお寺への連絡を考えておきましょう。
- 通夜の準備を行います。
- 参列者へのお礼の品や香典返しの準備、通夜振る舞いなどの飲食の手配を行いましょう。
- 喪主の挨拶の言葉、参列者への心遣いも考えます。
- 遺体を棺に移すことも今は専門家に頼むことがほとんどなので、専門家の手配も必要になるかもしれません。
- 通夜の晩は、遺体の線香を絶やさないように、家族で交代して一晩中付き添う必要があります。
- 当日の葬儀となります。
葬儀にかかる費用っていくらくらい?
日本人なら誰でも知っている英雄の中でも、織田信長の知名度はNo.1ですよね。その信長が好んだ舞を知っていますか? 歴史を少しかじった方ならご存知、幸若舞「敦盛」の一節です。「人間五十年 下天のうちに比ぶれば 夢幻の如くなり 一度生を得て 滅せぬもののあるべきか」と。あの何者をも恐れることがなかったであろう信長でさえ、人はいつか死んでしまうものだと、達観しています。そんな誰にでも等しく与えられる自分の死は別にしても、今の世の中でそんなに多く、死に立ち会うことはないでしょう。ですから、葬儀に慣れてる方はあまりいらっしゃらないでしょう。葬儀の準備にしてもそうでしょうが、葬儀にかかる費用に関しては相場と云うものがあって、ないようなものです。葬儀費用は参列者の人数、式場や祭壇の規模などによって、大幅に変わってきます。
葬儀の費用は大きく分けると、
- 「葬儀一式費用」
- 「飲食接待費用」
- 「お寺さんへの支払い」
の3つに分類されます。2の「飲食接待費用」は弔問客の人数によって大きく変わるので、葬儀費用を大きく左右する要素のひとつですが、特に割合の大きい、1の「葬儀一式費用」は、見積もりの段階で内容をしっかり検討する必要があります。
「葬儀一式費用」・・・全体費用の5~6割程度
「飲食接待費用」・・・全体費用の2~3割程度
「お寺さんへの支払い」・・・全体費用の2~3割程度
この割合を覚えておくと、総予算からそれぞれに充てる金額を逆算出来ますよ。
葬儀社費用一式で120万円程度、飲食接待費用で40万円程度、お寺さんの費用で50万円程度と合わせて、200万円弱となります。ただ、その地域や葬儀の規模によって価格は変わり、火葬のみなら直送で15万円から30万円程度です。身内のみで行う密葬、今流行りの家族葬でしたら、40万円から50万円程度で治まるでしょう。もし、斎場に申し込んで葬儀を行う場合は施設利用料として、別途費用がかかり、公営で10万円、民間施設なら20万円から30万円程度になります。
料金体系は基本料金の葬儀一式に、祭壇の種類や生花などの装飾類の数の分だけ追加料金が加えられて、総額となります。
【葬儀一式費用】の内訳
祭壇(60万円)、斎場使用料(10万円)、棺(8万円)、遺影写真、枕飾り、枕花、ドライアイス、音響設備、火葬料、控室使用料、飲食代、寝台車、霊柩車、マイクロバス、会葬御礼品、会葬礼状、人件費(運営管理費、案内係、司会進行、役所や火葬の手続き代行)など。
最近は家族葬や合同葬と呼ばれるものが増えています。家族葬は遺族と故人と生前親交が深かった方だけで行う小規模ではあっても、故人の死をしんみりと偲ぶという意図のある葬儀です。合同葬は遺族と故人が所属した企業が合同で行う葬儀です。遺族と企業がかかる費用を分け合えるので、遺族としては通常の葬儀より費用を低く抑えられますし、企業側も社葬を行うより低くできます。
音楽葬などと云った費用は多少高めでも、故人や遺族の意向に沿った質の高い葬儀を行うことも多くなっています。また事前相談というように、故人が生前に葬儀の意向などを相談するようになってきました。
葬儀の見積もりは、大抵セットプランを提案され、葬儀社より「お宅の場合はこれくらいでは?」といった具合に勧められるでしょう。急なことで慌てているあなたにとっては、葬儀の相場やどの程度用意すればよいかわからず、「それじゃあ、お任せします」と云ってしまって、結局予算を大きくオーバーするケースも多いようです。亡くなった故人のためという気持ちが強すぎて、葬儀社の勧めを断れなくなることもあるので、予めある程度予算を決めて、その範囲で治まるように葬儀社に伝えることも大切でしょう。葬儀の場合、見積もりに含まれないことも多くありますが、判らないことはそのままにせずに、「追加料金はどのくらいかかるか」などと、聞いておくことをお勧めします。
葬儀は故人を送り出す大切な儀式ですが、だからと云って、あなたが苦しむほどの料金をかける必要はないでしょう。まだ当日の葬儀以外にも、墓石や墓地の使用料、仏壇の購入など、まだまだいろいろとお金が必要になります。
御布施はいくらかかるの?
お葬式で一番困るのが、お寺さんに渡す御布施ですよね、「お志で結構です」って、云われても、心の中でどう思っているのか、こちらには判りません。一体いくらくらい包むのが相場なのか、なかなか教えてくれないものです。
率直に云えば、御布施は施主が僧侶に渡す謝礼と云うことになります。具体的には御布施として渡し、戒名のランクによって異なってきます。
読経と普通戒名又は普通法号・・・25万円
読経と居士大姉戒名・・・40万円
読経と院号居士大姉戒名 又は院号法名・・・55万円
直送と普通戒名・・・10万円
尚、普通戒名を頼む場合でも、御布施とは別にお車代や心付けが必要となります。
読経はお通夜と当日の葬儀、火葬場、そして初七日の読経が含まれるものです。浄土真宗の場合は法名になり、基本的には院号や位号も付けません。位号は信士・信女よりも居士・大姉の方が格上になるので、布施の金額も上がってきます。院号は古来、地位のある人(天皇や皇族、将軍家など)たちだけに与えられたものでしたが、今では一般の方にも用いられていますが、戒名負けにならない考慮が必要でしょう。戒名はもともと出家に際し授かる名前でしたが、死後浄土で仏になると云う考えから、亡くなった際に戒名を付けることが一般化しました。他にもいろいろな付加価値を付けて、文字数の多い戒名の方が有難い戒名であると云うような風潮もあるようです。
御布施の本来の基準は、「生かされている喜びに対して、収入の一部を仏様に喜捨する」ということだそうなので、自分の身の丈(収入)に合った、あなたが納得する額であれば良いことで、世間の相場を気にすることではないでしょう。
葬儀Q&A
Q1:六文銭、六道銭とはなんですか?
A1:死者が三途の川を渡るためのお金とも、または「六道」と云われる天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道に一文づつ置いて行く為のお金とも云われています。「冥銭」とも呼ばれて、納棺の時に棺に入れる風習がありましたが、現代では金属類を納めた火葬を禁止している自治体も少なくないので、紙製のもので代用しています。
Q2:お礼状に句読点を付けないのはなぜ?
A2:香典返しの礼状に句読点がないのは、毛筆の礼状では句読点を使わないと云うのが理由ですが、「つつがなく終わりました」と云う意味があるからとか、読む人にとって読みやすいようにと云った理由もあります。
Q3:忌引きはどこまでの親族に当てはまりますか?
A3:三親等までが忌引きに当てはまります。一親等:父母、子。二親等:祖父母、孫、兄弟姉妹。三親等:曾祖父母、曾孫、おじ・おば、おい・めい。