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大手葬儀社も参入する、家族葬の魅力とは?

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 最近、あなたの周りで家族葬を選ぶ方が増えていると思いませんか?家族葬とは、家族や身近な親族、親しい友人や知人に限って行う小規模なお葬式のことを云います。ここでは、家族葬が選ばれる理由やそのメリット、その他、あなたの知りたいことにお答えします。

コンテンツ

家族葬が選ばれる理由

 家族葬を選ぶ方たちが増えている大きな理由の一つに、家族葬は現代のニーズにピッタリと合っていることが挙げられますね。この頃は、高齢で亡くなられる故人にとって、付き合いのある友人があまり多くないという現実があります。そのせいで参列者の数は減少傾向にあり、お葬式も小規模になって来ているのです。また、各個人の自身のお葬式に関する意識調査でも、「自分自身のお葬式は簡素なものでよい」と云うふうに思っている方が86%、「自分自身のお葬式は家族だけで見守ってくれたらよい」という方が64%という調査結果もあります。こういったことからも、自分のお葬式は盛大なものではなく、気心の知れた家族と身内だけで静かに見送って欲しいと考える方が多数を占めていることが判ります。家族葬は今の価値観に合った葬儀のやり方だと云えるでしょう。

家族葬のメリット

 家族葬には従来、行われてきた一般的なお葬式にはないメリットが多くあります。

葬儀費用の抑制

 何といっても、このメリットは大きいです。2017年の日本消費者協会が行った「葬儀についてのアンケート調査」よりますと、葬儀にかかる費用の全国平均は121万円だと云われています。小規模で行われる家族葬ですから、当然、葬儀費用を大幅に抑えることが出来ます。返礼品や飲食・接待にかかる費用などは、ほとんど必要としないからです。

落ち着いた故人との別れ

 一般的な今までのような葬儀では、故人への哀惜の気持ちを抑えながら、多くの参列者に気を配り、応対しなければなりませんでした。それに比べれば、気心の知れた身内・知人のみで行える家族葬は、遺族の気持ちの負担をどれほど軽くしてくれるか、はかり知れません。家族での時間をゆっくり取って、故人との尽きない別れに涙したいものです。

自由で個性的な葬儀

 家族葬は親しい方のみで行われるので、葬儀の中身を自分たちで自由に考えて行うことも可能です。例えば、故人の好みに沿った展示や演出をなさる方もいらっしゃいます。

家族葬での注意点

 メリットが多いように思える家族葬ですが、価格を抑えている分、一般の葬儀とは異なることも少なくありません。ここでは、そのような家族葬ならではのポイントを挙げてみました。

事前整理、準備

 家族葬の範囲についてはイメージとして、一般的に「遺族だけによる葬儀」「遺族と親しい人だけによる葬儀」と云う理解が多いようですが、その範囲に対する認識は人それぞれのようです。故人の兄弟・姉妹は「家族」に含まれるのか、どなたまでお知らせすればよいのか、など前もってよく話し合っておく必要がありますよ。また、本来、質素に済ませる家族葬で香典や供花を受け取るのか、辞退するのかについても話し合っておきましょう。家族葬の範囲については、人によって異なる部分もあるので、前もって、家族葬で行うことを親戚や近隣に伝えてご理解いただきましょう。訃報の中に「家族葬のため参列をお断りする」旨の文章などを用意し、香典や供花、弔電を辞退する場合は、その旨の記載をしましょう。

訃報を知らせる方々

 親しい内輪だけの家族葬だとしても、後々のことを考えると、故人の兄弟姉妹にはお知らせしたほうが無難です。出来れば年賀状などで親しい友人の存在を確認することもよいでしょう。家族葬だからと安易に考えて、訃報を伝える方を少なくすることで、大切な方への連絡を怠ることのないよう注意しましょう。

参列者の人数

 参列者が50名を超えるようであれば、一般葬を選ばれた方が良いでしょう。葬儀に参列出来なかったことで悔やまれる方の出ないように配慮が必要です。

葬儀後に行うこと

 亡くなったことを知らせないで家族葬を済ませた場合、葬儀後には、近しい方にその辺の事情「故人の遺志であったり、家族の意向で家族葬を行ったこと」などをしるした挨拶状を出して、理解を得るようにしましょう。また、葬儀後日に弔問に訪れる方もいるでしょうから、急な来客にも対応できるよう、自宅に会葬返礼品を用意しておく必要もあります。

葬儀の流れ

 

家族葬

お身内葬

一般葬

事前相談:

その時になると動揺して希望する内容が上手く伝わらないものです。出来るだけ事前に、葬儀社とどんな葬儀をしたいのかなどを相談しておくことが大切です。

・家族だけで執り行うことを親族に理解して頂きましょう。

・参列者へのおもてなしは必要ないので、葬儀社には「受付や会葬返礼品の必要がない葬式」と伝えておきます。

・故人と直接関係ない方たちはお呼びしないなど、訃報をどこまでの範囲に連絡するかを家族で話し合っておきましょう。

・「参列辞退」の場合でも、供花や香典をどうするかなども含めて決めておきましょう。

・「葬式の大まかなイメージ」「最優先したいこと」などを葬儀社と話し合い、「必要なこと・出来ること」を整理します。

・連絡リストを事前に作成します。

ご遺体の搬送:

葬儀の依頼を電話します。葬儀社は24時間365日受付しています。医師からは「死亡診断書」を受け取ります。

・ご遺体を搬送する際に、出入りの葬儀社を紹介されることがあります。「とりあえず移動だけ」のつもりでも、その流れのまま、葬儀を依頼することになる場合もあります。依頼先が決まれば、その葬儀社に搬送を頼みます。

・病院から自宅又は斎場にご遺体を搬送します。ご遺体を預かる場合は、斎場の安置室がほとんどで、面会などは制限されます。予め葬儀の担当者に確認が必要です。

ご遺体の安置・訃報:

納棺までご遺体を安置します。自宅で安置出来ない場合は、葬儀社などで預かれます。

親戚や近隣、家族の会社関係者への連絡の際、「家族葬」である旨を理解して頂きましょう。

ご家族の職場・学校・町内会・所属団体などへの連絡は、「参列お断り」なども含めて連絡する。

・葬儀の日時は、①火葬場の予約 ②僧侶の手配 ③会場などの手配 の3つによって決まります。

・訃報は葬儀の日時・会場が決まってから連絡します。

・①家族 ②近親者(三親等くらいまで) ③親しい友人・知人 ④勤務先・学校関係・所属団体 ⑤隣近所の順で連絡します。

枕飾り・葬儀の打ち合わせ:

祭壇などの様式やお花、棺など、葬儀の希望を伝えて内容を決めます。

ご家族以外でどなたに連絡するかについて話し合い、関係者の理解が得られるようにします。

どの範囲まで連絡するかによって、参列者が変わります。身内で話し合って、行き違いのないよう注意しましょう。

参列者の人数がポイントです。ご家族を中心に話合って、大まかな人数を予想します。

納棺・通夜:

ご遺体を棺に納め、故人の愛用品なども一緒に納めます。会場の設営状況などを確認します。

・家族とそれに準じた方のみで通夜を行います。仏式の場合は僧侶による読経・焼香が行われます。

・参列者へのもてなしはないので、受付や会葬返礼品は必要ありません。

・式場外に看板などは設置しません。

・納棺に立ち会う方々に日時・場所を知らせます。

・香典の受付や会葬返礼品、通夜振る舞いの料理の準備をします。

・焼香後は弔問客に飲食を振る舞います。

・式場の外に案内看板などを設置します。

葬儀式・告別式・出棺:

通常、1時間程度で行われます。出棺の時間は火葬場の予約時間によって決まります。

・葬儀式は行いますが、告別式は行いません。家族だけでゆっくりお別れの時間をおくれます。

・焼香や香典を辞退した場合、葬儀後に自宅に参られる方には、丁寧な対応が望まれます。

・葬儀式は宗教的儀式、告別式は死を社会的に確認するお別れの儀式で、現在は2つを兼ねた形式となっています。

・参列者には会葬返礼品を渡します。

・出棺には、お棺に花をたくさん入れて、個人との最後のお別れをします。

火葬・繰り上げ初七日:

火葬後、「お骨上げ」を行います。当日に「初七日法要」を行う(繰り上げ初七日)ケースがほとんどです。

・火葬後、火葬場で納骨の時に必要な「埋火葬許可証」は骨壷と一緒に受け取ります。

・本来は亡くなった日を含めて7日目に行う「初七日法要」と「精進落とし」を火葬後(火葬中)に行います。

忌明け法要(四十九日法要)・納骨:

亡くなった日を含めて、49日以内に行い、納骨もこの日に執り行うのが一般的です。

事後に死亡通知を出す場合は、故人の遺志や家族の意向で、家族・身内のみで見送った葬儀であったことのあいさつ文を書き添えると丁寧でしょう。

亡くなってから49日までに「忌明け法要(四十九日法要)」を行います。

葬儀社選びのポイント

見積書の明細

 「家族葬パック」と云った安いパック料金を売りにしても、実際には「含まれない費用」があったり、サービスの品質や量が契約と異なったりすることがあります。パック料金に関しても、個々の単価を示してくれて、ここには何の費用は入っていないなどと、詳しく説明があること。

丁寧な回答

 質問には丁寧に答えてくれること。

選択肢の提示

 初めから提示するのではなく、こちらの希望を良く聞いて、希望に沿った複数の選択肢を提案してくれること。

  • 性急な契約をしないこと。
  • 判り易いパンフレット。
  • 店舗を持って、長く営業していること。
  • 施行葬儀の記録があること。
  • 支払い期日に余裕があること。

大阪市規格葬儀について

 大阪市では市民が葬儀を営むにあたって、儀式の尊厳を保ちつつ、その出費を抑えるために規格葬儀制度を設け、2017年12月現在、市内78店の葬儀業者を指定しています。

大阪の規格葬儀の内容

 納棺等のご遺体取り扱い。棺箱等葬祭用品の供与。祭壇等の飾り付け。斎場予約等の事務手続き

別途必要主な経費(規格葬儀に含まれないもの)

 読経料(宗教者費用)。遺影写真(写真引伸ばし、額)。粗供養、飲食費。式場使用料。会葬礼状等。冷却剤(ドライアイス等)。霊柩車・マイクロバス・タクシー。火葬料。
※上記以外に、会葬者数やご葬家の意向により別途必要経費が変わります。

対象者

 大阪市民の方で、大人 10歳以上、小人 10歳未満

規格葬儀プラン

① 百合プラン
大人 323,800円(税抜き) 小人 304,700円(税抜き)
② 桔梗プラン
大人 185,700円(税抜き) 小人 166,600円(税抜き)
※注意事項:規格葬儀は仏式のみです、意向によって一部使用しない場合でも、減額は出来ません。
※詳細は大阪市のHPをご覧ください。

 

いかがでしたか、
盛大な葬儀を行うのは、遺族にとっても大きな負担、それより親しい方々とゆっくり故人を偲ぶほうがよいという思いが、時流に乗っているようですね。
是非、参考にしてみてください。

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