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失敗しない葬儀の見積もりの取り方

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 事前相談で行った葬儀の見積もりと、施行後の請求額の差に戸惑ったことはありませんか?
ほとんどの場合、同じであったことはなく、何が違うのかを理解していないと、要らぬトラブルのもとになるものです。ここでは、そんなあなたの疑問にお答えして、納得のいく葬儀が出来るようにしましょう。

葬儀の見積もり

 葬儀費用は大きく分けると、①葬儀基本費用、②車両費用、③火葬関連費用、④斎場費用、⑤返礼品費用、⑥飲食費用、⑦お布施 に分けられます。細かいことに捉われず、まずこの7つに分別して大筋を抑えることがポイントになります。

・「実費」とか「立て替え」など、葬儀社特有の言葉で、内容が解りづらくなっている処もあるので、提示される葬儀見積もりが上記7つの項目のどこに含まれるかを見極めましょう。
・相見積もりをとっても、各社によって、祭壇や内容が違ってくるので、紙面上の価格だけで単純に比較できるものでもありません。
・事前相談の段階で出される葬儀社の概算見積もりは、最低水準のものを提示して他社より価格的に優位であるように見せることがあります。契約後の詳細交渉に入ってから、それぞれの品目の価格ランクを上げて行くことも考えられるので、注意が必要です。

葬儀の見積もりをとるメリット

① 金額・内容の把握が出来る
口頭で「大体200万円くらい」などでは、どんな内容かも分からないし、パンフレットの金額だけでは、自分の場合に実際かかるか分かり難いですよね。見積もりを取る前は漠然としてものが、実際に金額や内容が出てくるだけでも、より正確に把握できます。何にどれだけかかるか分かるから、全体のイメージがし易くなります。

② 良くない葬儀社のあぶり出しが出来る。
見積もりを依頼すれば、葬儀社の良し悪しはすぐに判断出来ます。何かと理由をつけて見積もりを渋る葬儀社は結構多く、見積もりが出ないと、依頼するまで金額が分からないということになります。

③ 判断材料が持てる
見積もりを取ると、ひとつの基準を持てるので、他の葬儀社からの見積もりと金額や内容を見比べることが出来ます。また事前見積もりはあくまでも「たたき台」ですから、変更したい箇所などは、あなたの要望を入れることが出来ます。

④ じっくり考えて交渉出来ます
お葬式に直面してからでは、内容を吟味したり、交渉したりする時間はほとんどありません。でも、事前段階なら分からないことを調べたり、細かな内容でも例を出して貰って考えることも出来ます。そうすれば、結果的には大幅な費用軽減にも繋げることも出来るでしょう。

⑤ 葬儀社だって、対応が変わってきます。
葬儀社にしても、ぶっつけ本番の全部お任せのお客より、事前に見積もりを取って相談し合った相手の葬儀の方が、気合が入ると云うものです。

事前見積もりと請求額の違いの理由

 複数の葬儀社から見積もりを取ると解りますが、葬儀社によって見積書や請求書の書き方が異なります。まず、7つの項目に区分けして、考えてみることが大事になってきます。各項目で事前の見積もり通りになる部分はその一部だけですから、それがいつ固定化されるかを理解することがポイントです。

① 葬儀基本費用:事前見積もりで固定化できます。
② 車両費用:距離や車種によって変わります。各車両の移動が完了した時点で固定化します。(実際の費用は変動しますが、葬儀社が独自に価格設定を行っていた場合、事前見積もりで固定化している場合もあります。)
③ 火葬関連費用:場所や待機日数によって変わり、式場と火葬の日が決定した時点で固定化されます。
④ 斎場費用:③と同じ
⑤ 返礼品費用:人数や内容によって変わります。葬儀終了時点で固定化されます。
⑥ 飲食費用:⑤に同じ。
⑦ お布施:葬儀社の紹介の場合は、事前見積もりで固定化出来ますが、菩提寺がある場合は、一概に云えません。

大まかに云えば、①基本費用と④斎場が決まれば、残り、費用が大きく変動する可能性があるのは、⑤返礼品と⑥飲食の費用と云うことになります。

葬儀の規模による見積もりの違い

 一般的に葬儀の規模は会葬者の数と捉えられます。最低限必要な人数は直葬(火葬のみ)の1~3人で、当然費用も抑えられます。人数が少なければ、斎場も祭壇も小さくてすみ、飲食返礼品も少なくなります。次いで考えられるのは、各品目の単価を下げること。例えば飲食一人当たりの単価を下げることになります。最後は不要品目を外します。ただ、葬儀は一回限りのものですから、様々な要素を慎重に考慮することも大切です。会葬者が増えれば、飲食・返礼品の量も増え、会場や祭壇も影響を受けて、予算が上がらざるを得ません。ただ、その分、香典の収入増は見込めます。

葬儀費用の捉え方の違い

 皆さん消費者は葬儀に関わる全ての費用を葬儀費用と思っていますが、葬儀社では、葬儀費用だけを「葬儀基本費用」として捉える傾向にあります。そこに依頼者と葬儀社との費用の理解に食い違いが起こるのです。

セットやプランは基本費用の一部

 ほとんどのセットやプランは、葬儀基本費用の一部分に過ぎず、それだけで葬儀は出来ません。

葬祭業者のサービス実態調査(料金体系)

基本セットコース+複数のオプションから選択した料金

45.5%

全ての項目に個別料金を提示して、費用を算出する

21.1%

予め料金を決め、施工内容を相談の上、費用を算出する

15.0%

総額が決められたセットコースを複数用意している

15.0%

無回答

2.3%

その他

0.9%

上記のように、2011年経産省調査(葬儀社の料金体系の割合)結果で、一番多いのが、「基本となるセットコース料金とオプションを複数用意する」になっています。もともとは、料金体系を解り易くするためのセット料金制やプラン制でした。でも実際は、セットを前面に出して、それだけで葬儀が出来ると錯覚してしまう表現がよくあります。よく見ると、欄外に小さく、「式場費、返礼品、飲食費、お布施は含まない」などと書かれているものがあります。

良心的な表示とは

 単価が事細かく書いてあるところは良心的で、一式やセットにはいろいろ含まれて、単価が書かれていないので信用できないと、思い込んでいる方が多いようです。でも、そうとは言えないところもあります。葬儀社が単価を細かくには、次の2つの思惑があります。

① 消費者に透明性のある良い会社だと思ってもらえる。
② 葬儀費用を押し上げられる。

と云ったわけで、大事なのは何の項目にいくらかかるか、全体で見ることが大事なのです。例えば、3社の葬儀見積もりを比べてみると、他社にない項目に単価が書いてあり、全体で費用が高ければ、要注意です。

見積もりの取り方

複数の葬儀見積もりを取るときの大原則

① 各社に同じ条件を伝えること。
葬儀社のタイプもいろいろあるので、適切な葬儀社を選ぶためには下記の項目についてポイントをまとめてみましょう。

・場所:葬儀を行う場所の選択肢は?
・規模:想定される会葬者の人数は?
・宗教:菩提寺は有りますか?
・予算:どのくらいの出費を予定していますか?
・内容:質素にしたいとか、一日葬・生花祭壇・納棺の際に入れたいものがあるかなど?
・日程:希望があるのか?

以上の項目を整理しておけば正確な見積もりが出せるでしょう。

② 提示された見積もりは他社に見せない。
他社の見積もりを見せられれば、それより低い見積もりを出すでしょうから、正確な見積もりを求める意味がなくなってしまいますよね。

複数の見積もりを見比べるのは難しい

複数の葬儀見積もりを見比べて適切な判断を下すのは、総額を把握するのとは比較にならないくらい難しい作業です。見積もりを見比べるには、「実費」「立替」と云うワードを理解しておく必要があります。「実費」「立替」は葬儀社が手配するものですが、葬儀社にはお金が入らず、手配先に入るものです。具体的には飲食費や返礼品、式場費、火葬料などがあります。これらの実費を葬儀総額から取り去ったものが、葬儀社独自の商品やサービスになるので、それらの金額と内容を見比べることが大事になります。金額だけを比べても意味はありません。例えば、祭壇費で金額に差があったとしても、それに応じて内容が異なるので、比べたことにはならないのです。同等の金額でその内容の違いを見比べることが大切です。葬儀費用の整理の仕方は7項目で説明してきましたが、実費を取り除くとほとんど「①葬儀基本費用」になるので、この項目を見比べるのが一番簡単な比較方法と云えます。

見積書の見るときのポイント

・葬儀のグレードは全体予算から、必要項目の金額を差し引いて、見積書に何が含まれ、何が含まれないかを確認します。お布施・香典返し以外に含まれていないものがあれば、その額を聞いてみましょう。

・葬儀一式や何々セットの合計金額とその内容のみの場合は、内容の個別料金も調べましょう。数量のあるものは単価や合計金額の記載をお願いしましょう。

・葬儀費用は会葬者の多寡によって、会場から返礼品、料理まで人数によって変化します。葬儀社は経験でアドバイスしますが、多すぎたり、少なすぎたりの見積もりになっていないかを疑ってみましょう。

・各項目の価格ランクがあなたの望むレベルに達しているか、確認が必要です。低いレベルの見積もりでは、後の打ち合わせで費用が上がっていく可能性があります。

・祭壇のグレードは紙面では分からないので、写真で確認する必要があります。祭壇は何度も使われる品ですが、葬儀料金の中でも最も高い値段の品でもあります。

・返礼品や料理は何であるかを確かめ、あなたの希望も伝えましょう。葬儀社によっては自分たちにとって利益の多い物や料理を勧めるかもしれません。

複数の葬儀社を比較して選ぶ方法

① 総額でなく項目別で比べる
先ずは「見積書」と「マーカー」、「電卓」を用意し、実費費用を全て無視して、葬儀費用の一部分だけを抜き出してみましょう。

-1:各見積書の中から、祭壇一式・棺・人件費・ドライアイス・写真の5項目を探して、金額に〇印をつけましょう。項目が祭壇一式の中に入っている場合はそのままにします。

-2:ドライアイスの費用を日数で割ります。

-3:5つの項目を合計します。

これによって、最初に見比べていた合計金額の差とは違った結果になっていませんか?
その差こそが各葬儀社独自の提案であり、本来の意味の比較になるのです。

② 比較して絞り込んだ後にすること
見積もりをお願いし、内容に納得できる葬儀社に出会えたら、それで決定される方も多いことでしょう。何もしないよりはましですが、少し物足りない処があります。それは葬儀社や担当者の雰囲気が分からないことです。電話で何度か話し合ってイメージとしては出来上がっていたのに、実際にあってみたら全然違っていたなんて。このような不安を解消するためにも、ぜひ一度葬儀社に出向いて、雰囲気などを確認することが大切です。事前段階で顔を見て話し合っていれば、いざと云う時の安心感が全く違いますよね。葬儀社側からしても、初対面のお客さんと面識があるのとでは、違ってきます。また葬儀社を訪れるには、もうひとつの大きなメリットがあります。葬儀社には、これまで施行したお葬式の写真や斎場情報、パンフレット、ホームページに載ってない情報などが沢山あります。貰った見積書を持参して、照らし合わせて確認しておくことも有効です。

葬儀の見積もりの具体的なチェックリスト

① 「葬儀一式」「セット」の内容チェック:
祭壇、棺、看板、人件費、受付設備、遺影写真、お供え物、ドライアイスなど、一式に何が入っているのかをチェックしましょう。オプション設定の場合、欲しい物かどうかをよく確認して、計算に加えましょう。写真のカラー化や花束、花飾りなどがオプションになっている場合もあります。

② 人件費のチェック:
項目としては、「司会進行」「設営費」「火葬場随行」「プロデュース費」「式典係員」「手続き代行」「企画施工費」「案内係」など葬儀社によってネーミングは変わりますが、一括してサービス料の名目で人件費があまりにかさむ場合は、交渉が必要になります。

③ 斎場・火葬場費用のチェック:
葬儀社と提携している斎場もあるので、その運営が民間か公営かをチェックします。それによって斎場使用料は大きく変わります。また、遺体搬送にかかる費用も、自宅・斎場・火葬場までのそれぞれの距離によって異なります。

④ 安置費用のチェック:
2日分で設定された見積もりだと、公営斎場や人気のある斎場では足りなくなるでしょう。どうしても混み合うので、プラス3日分くらい見たほうが良いでしょう。斎場の平均待ち日数を葬儀社に問い合わせておく方が賢明です。

⑤ 「飲食費」の設定人数のチェック:
飲食費には、「通夜料理」「告別式料理」「飲み物代金」などがあり、最も「追加請求」が多い項目で注意が必要です。飲食費は「単価×数量」ですから、何人分の設定になっているかを見ます。通夜料理では予想人数の7割、告別式料理では火葬後の精進落としに出席する親族の人数分となります。飲み物は栓を開けた分の実費ですから、1人当たり1,000円位で良いでしょう。葬儀社の設定とあなたの予想人数が合っているか確認してください。

⑥ 「返礼品」の内容チェック
返礼品には「当日返し」と「後返し」の二つの方法があります。後返しの場合は、見積もりで「会葬御礼」の項目で金額が低くても、後日頂いた香典から半返しの品物を返すので、その分も計算しておく必要があります(一人当たり平均3,000~5,000円くらい)。

いかがでしたか、見積もりは葬儀社の提案に過ぎませんから、合計金額を見ただけで納得せず、項目ごとの内容チェックを心がけてください。
是非、参考にしてみてください。

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