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【時系列順】葬儀後から1周忌までのチェックリスト

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 大阪でお葬式を終えても、1周忌までにやっておかなければならないことはたくさんあります。お礼やお墓・納骨堂などのお骨の行き先はどこに、御仏壇の手配は、分骨、四十九日やお盆の法事や法要の準備はどうすればいいのかなど。ここでは大阪で行った葬式後の流れを一覧にしてみました。このチェックリストを使って漏れが無いように対応して行きましょう。

コンテンツ

初七日・・・命日+6日

休養

 まずは、葬儀や介護の疲れ(心身ともに)を癒すことが、なによりも優先されます。

香典の整理

 お香典は思いもかけず大きな額になることがあるので、管理をしっかりと行い、名簿も早めに整理しておきましょう。
【香典リスト】
 最近の大阪の葬儀社では、「会葬カード」という1枚ずつのカード形式を使う葬儀社も増えており、バインダーで保管し、金額ごとに分類出来るなど便利になっています。また、パソコンの表計算ソフト(エクセルなど)を用いてリストを作成すれば、香典返しの注文管理や兄弟間での情報共有も出来ます。

お礼

 会葬して頂いた方に、葉書や手紙、電話などでお礼をしましょう。また、ご近所やお手伝い下さった方にもお礼のご挨拶に参りましょう。

精算

 故人が入院されていた場合は、病院の精算を済ませましょう。葬儀社への精算は通常、葬儀当日~1週間程度で支払うのが通常です。

初七日法要の準備

 最近大阪などの都市部では葬儀当日に繰り上げて初七日を行うことが多く、その場合は不要になります。

遺品整理

 故人が独居生活だった場合は、遺品などの整理を行い、部屋の契約解除などの必要があります。

遺言書の有無の確認

 遺言書がある場合は、故人の遺志に沿って遺産分割や死後の手続きを進める必要があります。
【遺産】
 遺産とは故人が残した財産のことで、金銭的なものとしては、不動産、現金、預貯金、株、死亡保険などの保険金、借地権、著作権、債権などがありますが、負の遺産としては借金、住宅ローン、未払い金なども同様に遺産になります。ただ、故人に多額の負債があり、相続に不都合な場合は、3ヶ月以内の手続きで相続放棄を選択することも出来ます。遺産は墓地、死亡退職金、受取人指定の生命保険以外は、分割対象になります。民法の規定によって、法定相続分の割合通りに分配されるのが原則ですが、相続人同士の同意があれば、それに基づいた分配が可能ですが、同意にいたらない場合にはもめ事が起こることもあります。

大阪で四十九日までにすること

供養とお仏壇について

お線香を買う

 最近はお線香の種類も増えてきているので、お好みの線香の香りを大阪で探してみてください。

御仏壇の手配

 お仏壇がない場合は購入を検討してみましょう。伝統仏壇や現代的な仏壇など部屋に合った仏壇を大阪で探してみてください。
【お仏壇を置く部屋】
 仏間や床の間がある部屋、リビングが大阪では一般的ですが、お供えやお花の入れ替えが容易な場所を基準に考えましょう。ただ、痛みや腐敗を避けて長くお仏壇を使うために、水気や湿気が多い場所は避けた方が無難です。

本位牌の手配

 四十九日の忌明け後に、白木位牌を本位牌(塗位牌)に替えるため、仏壇店で手配しましょう。本位牌には漆を塗って、金箔や金粉などを使った「塗位牌」、黒檀や紫檀を用いた「唐木位牌」などがあります。
【白木位牌の冠字・上文字・置字・梵字】
 白木位牌に書かれた文字には本来の戒名の他に、冠字・上文字・置字・梵字などが書かれている場合があります。冠字(空、妙法、法名など)、上文字(新円寂、新紀元、遷化など)、置字(霊位、位など)、梵字は各宗派の本尊を表しますが、本位牌を作る時にはこれらを省いて戒名だけを記入、刻します。ただ、真言宗だけは戒名の上に「ア字の梵字」と下の「位」を記入して、大日如来の仏弟子となったことを表します。

法要の作法を知る

 自分の家の宗派の正式な作法を調べたり、知ることもよい機会でしょう。
【宗派別、焼香と線香の作法】

宗派

焼香の回数

線香の本数

天台宗

特に定めなし(1回又は3回)

3本

真言宗

3回(額にいただく)

3本

浄土宗

特にこだわらない

1本

浄土真宗

1回(額にいただかずに)

1本を折って寝かせる

真宗

2回(額にいただかずに)

1本を折って寝かせる

臨済宗

1回(額にいただかずに)

1本

曹洞宗

2回(1回目額にいただき、2回目はいただかず)

1本

日蓮宗

1回又は3回(額にいただかずに)

1本(又は3本)

形見分け

 故人を偲びながら、形見分けを行ったり、持ち物の整理を徐々に行いましょう。形見分けの品は衣類、装飾品、時計、本、趣味用品などです。時期は仏式なら四十九日の忌明け、神道は五十日祭、キリスト教式は亡くなってから一ヶ月後の追悼ミサや記念会に行うことが多いようです。故人との関係や年齢を考慮して、本当に喜んでいただけるものを選びましょう。
【形見分けのポイント】

  • 形見分けを遠慮されたら、無理に押し付けない。
  • 時価60万円以上の高価な物は、贈与税の対象になるので配慮が必要です。
  • 故人より目上の方には基本的には形見分けを行いません。ただし、希望があれば贈ってもかまいません。
  • 衣類はクリーニングに出して、手入れしてから渡しましょう。
  • 包装紙などには包まず、そのまま渡します。
  • 自身の思い入れが強くても、痛みの激しいものや、あまり安価なものは避ける配慮も必要です。

お骨の行き先について

お墓の継承

 大阪でお墓を持っている名義人が亡くなった場合は、お墓を受け継ぐ必要があります。お墓を継承する方は、霊園や寺院に名義変更の手続きを行いましょう。
【お墓の継承の手順】
・長男が受け継ぐケースが多いですが、必ずというものではなく、親族の誰でもが継承者になることは出来ます。お墓を引き継ぎ、管理料なども負担するので、誰が中心となって供養していくのかという点から考えましょう。ただ、大阪では霊園の規定で他人が継承出来る霊園が少ないのも現実です。霊園に確認は必要でしょう。
・お墓の継承者になった方は、管理者に「墓地使用者の名義変更届」を提出します。名義変更には、墓地使用許可証の他に、申請者の戸籍抄本や印鑑登録証明書などが必要な場合もあるので、各霊園に確認をとりましょう。

新たにお墓・霊園を探す

 お墓を準備していない方は、これからお墓や霊園を探し始めることになる訳ですが、通常、お墓を建てるには2・3ヶ月くらいの期間が必要です。四十九日に間に合わせてお墓を建てて、法要と同じ日に納骨を済ませたいと考えていても、時間的には余裕がないので注意しましょう。一般的な墓石の石種なら比較的早く入手出来ますが、高価な石などは取り寄せるのに時間がかかる場合もあります。

手元供養

 最愛の家族の遺骨や髪の毛、遺灰などを身近に置いて、毎日手を合わせたり、お参り出来ることから、手元供養といってお骨の一部をオブジェやペンダントに分骨する方法を選ぶ方が、大阪などの都市部では増えています。家族の多様化が進み、一族で継承するお墓制度になじまない家族も増えて来ています。自宅に仏壇がない家庭も増えて行く中、伝統にとらわれない供養方法ですが、場所を取らずに、故人を想って供養したいという願いが強く現れているので手元供養が広まっています。

分骨

 大切な故人のお骨をお墓だけでなく、手元にも置いて供養したいと思い分骨される方や、遠方でお墓参りが出来なくて、近くの納骨堂などに分骨される方が増えています。
【2つの分骨方法】
1-火葬場で分骨
 火葬場の管理者に分骨の意志を伝えて、「分骨証明書」を必要枚数分だけ発行してもらいましょう。前もって準備した骨壷に分骨してもらい、納骨することになります。手元に置くには特別な証明書は必要ありませんが、埋葬するには「分骨証明書」が必要となります。勝手に遺骨の一部を取り出しても、証明書が無いと納骨出来ないので注意しましょう。
※分骨証明書代金 茨木市-300円  改葬許可証は無料です。

2-埋葬済みの遺骨の一部から分骨
 「分骨証明書」を発行してもらってから、石材店に依頼して、墓石を動かして遺骨を取り出してもらいましょう(費用は約2・3万円)。分骨先の墓地管理者に「分骨証明書」を提出して、納骨となります。

自然葬

 葬儀を終えてから、「海に散骨して欲しい」と話していたなあなどと、在りし日の言葉を思い返したりしませんか。そのようなニーズに答える形で自然葬が選ばれています。
【自然葬の2通りの方法】
1-散骨
 遺骨を粉末状にして、海や山などに撒いて供養するのが代表的な自然葬の方法で、海洋散骨とその他(山林散骨、宇宙散骨など)の散骨があります。1948年施行の墓地埋葬法では海や河川への散骨を想定していなかったので、散骨に関する規定はまだありません。ただ、1991年の法務省の見解では「節度を持って行う限り、法的問題はない」と発表されています。従って、各散骨業者は漁業権や廃棄物処理法などに抵触しないよう、節度を持って自主規制の範囲で行っているのが現状です。船をチャーターすることになると、親族共に10名ほどで総費用として30万円前後かかるでしょう。複数のご家族が乗船する「合同散骨」ならチャーターする場合より、10万円前後費用を抑えられますが、各家の乗船人数が2・3名に限られたり、日程が自由に決められないなどの制約があります。散骨業者に散骨を委託する「委託散骨」なら、「合同散骨」より更に5万円前後費用を抑えられます。自身で散骨は出来ませんが、費用を抑えて、故人の意志を実現することが出来ますね。

2-樹木葬
 墓石を建立する代わりに樹木を植えたり、樹木の周りに埋葬する樹木葬には「里山型」と「都市型」の2通りがあります。
【里山型樹木葬】
 山林などの広い墓域が必要ですが、墓石の代わりに樹木を植えるのが樹木葬です。日本で初めての樹木葬は岩手県祥雲寺の里山型でした。

【都市型樹木葬】
 一人1本ずつ植樹するのでなく、シンボルツリーなどの目印となる樹木の周りに埋葬する樹木葬です。土地の広さに制限がある大阪などの都市部で多く見られます。

四十九日、五十日祭の準備

日程決定と宗教者の手配

 四十九日の日程は親戚が集まり易い土日などを候補にして、お寺さんの都合に合わせて決めましょう。前倒しはOKですが、四十九日を過ぎてしまうのはNGです。四十九日前の土日は限られるので、仏滅や友引、大安などと云った六曜を気にする方は少ないようです。地域やお寺によっては、命日から四十九日の法要までの期間が3ヶ月間にまたがるのは、避けた方が良いと云う考え方もあるので、気になる方はお寺さんと相談してください。

場所、料理の手配

 日程が決まったら、場所や会食の料理店を予約しましょう。
【自宅で会食】
 お斎の席も自宅で行なえる十分な広さがあるなら、移動が減って会葬者の負担が少なくて済みます。仕出し(出張料理、ケータリング)を利用することが多くなりましたが、料理の準備や後片付けには人が必要になります。ただ、仕出しの店から給仕係などを用意してもらえることもあります。

【お寺で会食】
 自宅同様、移動の手間が減り、会葬者には喜ばれますが、仕出しの利用が可能かをお寺さんと相談しておきましょう

【料亭、レストラン、ホテルで会食】
 スムーズに移動できるよう、十分に準備しておく必要があります。車(タクシー、マイクロバスなど)の手配も前もってしっかりしておきましょう。メリットとしては、接客のプロの対応・温かい料理・交通の便が良い・様々な人数に対応でき、設備が充実しているなどがありますが、デメリットとしては、ご遺骨の持ち込みが出来ない・焼香や読経の禁止・費用が割高等の場合が考えられます。

通知

 日程が決まったら、遅くとも1ヶ月前には、葉書で参加者に連絡しましょう。印刷や宛名書きの時間も考えて、ある程度余裕を持ってとりかかる方がよいですよ。親しい身内なら電話で連絡しても構わないでしょう。
【案内状の内容】
① 誰の何回忌法要かを明記すること。
② 遠方から来られる方のために、地図を添えると親切でしょう。
③ 喪服でなくてよければ、「平服でも大丈夫です」と一言添えると親切です。
④ 返信用はがきを同封する場合は、出欠の確認の締め切りは2週間前くらいにしましょう。
⑤ 案内状の文面は句読点のないのが特徴で、滞りなく進むようにと思いを込めて、文章が途切れるような「、」「。」は用いないとされています。

香典返し

 香典返しは忌明け法要が無事に終わったという報告を兼ねたお礼のことをいいます。四十九日に合わせて香典返しをするので、早めに準備しましょう。
【返礼品の意味合い】
① 線維製品(タオル、シーツ、毛布、傘など)
 仏の世界に旅立つ姿として白装束が用いられることから、香典返しに「さらし」が利用されていたことが、現代に引き継がれて、「タオル、シーツ、毛布」などの繊維製品になりました。悲しみを覆う、包み込むという意味合いもあります。
② 食料品(お茶・コーヒー・砂糖・のりなど)
 昔は通夜振る舞いの席に来られなかった方に品物を送ったのが、香典返しの原点とされています。食品を送るのもその名残と云われています。また、お茶やコーヒーは、飲みながら故人を偲ぶと云う習慣から、代表的な品物とされます。
③ 石鹸や洗剤
 不幸や悲しみを洗い流すと云う意味や、実用品としても良く利用されます。
④ 漆器
 不幸を塗りつぶす意味と、白木を白装束にたとえて、二度と不幸が起きないよう「色直しをする」という意味で利用されます。
⑤ 陶磁器
 昔は皆、土葬にされたので、「人は皆、土に還る」と云う意味を込めて、陶磁器を贈って故人を偲ぶ習慣があります。
このように、お礼の気持ちを込めて贈る品物の一つ一つにある意味を知った上で、選ぶことも大切ですね。

いかがでしたか、
葬儀後に行なうことは、ここで挙げた内容がすべてではありませんが、ぜひこのチェックリストを活用してスムーズに進めてください。

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