普段から準備怠りなく用意されていることはまれで、その時になって、どうしようと迷うのが葬儀の常です。そんなあなたに少しでも手助けになればと、多くの疑問にお答えします。
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カテゴリー別Q&A
通夜・告別式のQ&A
Q1:まず何をすればよいのでしょう?もし親が亡くなった場合、通夜・告別式はどこに頼むのですか?宗派などは特にないので、病院で紹介してくれるのですか?
A1:事故や突発的な病の結果の場合は、何の準備もなしに病院出入りの葬儀社に頼むこともあるでしょうが、流されるままに任せて、悪い業者に引っかかるケースも少なくありません。最低限、複数の見積もりを取り、相応しい葬儀になるようにしたいですね。日数に余裕があるのなら、インターネットで調べ、資料請求をするなり、実際の葬儀に関わった知人などから情報や知識を得ることもよいでしょう。やりたくない、考えたくないと思っていても避けられないのが葬儀です。だったら、少しでも納得のできる葬儀社を選んで、頼む用意をしておいたほうが賢明です。
Q2:お通夜の服装は?私は21歳男性ですが、前日、お通夜の連絡がありました。普段スーツを着ることがなく、喪服も持っていません。当日はお通夜まで用事があり、服を用意する時間もありません。今持っている服は、ほぼ黒のダークネイビーのスラックスとポロシャツです。靴は途中で購入可能です。この格好で良いでしょうか?また、靴はどのようなものがよいでしょうか?
A2:土葬の昔、通夜に行くのは普段着でした。喪服で来ることは、事前に準備していたとして、マナー違反でした。現代では、会館での通夜式に弔問客の多くが喪服で来られますが、本来は取り急ぎ来たということで、喪服にこだわりはありません。靴を別に購入するなら、紐付き黒の革靴を1足用意しておけば、冠婚葬祭に使えます。
Q3:代理での香典の書き方は?お世話になった先生の葬儀に親が代わりに出席します。夫婦の場合は名前の下に「内」と書くのは知っておりますが、この場合はご香典の書き方として、私の名前の下に「内」を書くのでしょうか?
A3:ご夫婦での香典なら、その書き方で良いでしょうが、御恩を受けたのはあなたなのですから、参加できないのであれば、後日、改めて弔問するのが良いでしょう。
Q4:お通夜での記帳の仕方は?主人方の親戚のお通夜に私(妻)だけが参列します。香典には主人の名前を書きましたが、受付時の記帳には主人の名前のみで良いのでしょうか?それとも参列者の名前にするのでしょうか?
A4:香典の記帳の主な目的は、満中陰でのお返しのためと、弔問に訪れた方の確認にあります。ですから、返礼品が届くように、名前と住所、電話番号が必要となり、記帳は御主人の名前で良いでしょう。
Q5:通夜・告別式に行くべきかの線引きについて。過去に教員をしていた関係で、教員時代に知り合った多くの生徒の保護者からの通夜や告別式の連絡があります。正直、どこで線引きをして、行くかべきか行かないかを決めかねています。
A5:葬儀には、故人と社会との絆を切るお知らせも含まれています。教員を退職された時点で、保護者とのご縁は切れているので、ご冥福を祈ることで割り切られたら良いでしょう。
Q6:香典の相場について。自営業でアルバイト3名の小さな会社を経営しています。アルバイト夫婦のご主人のお父上が亡くなられました。仕事以外の付き合いはなく、故人との面識もありません。お悔やみの気持ちはあるので、通夜には夫婦で参列しますが、ご香典の相場はいくらが良いでしょうか?
A6:税理士手帳には香典の目安金額が示されています。受け取る側の年齢と渡す側の人間関係の対比表によると、3千円~5千円となっています。なぜ税理士手帳に記載があるかと云うと、交際費で落ちるからです。相場は人間関係を保つために勝手に決められたものです。葬儀で大事なことは、今の心(念)の善行の練習だそうです。相場を気にすることなく、あなたの感謝の気持ちを伝えるのが、香典の金額だと思います。
Q7:精進上げの参列について。家内のご母堂が亡くなり、通夜、告別式、火葬には参列します。家内はそのまま実家に残りますが、私は精進上げを失礼しようと思いますが、いかがでしょうか?
A7:現在の葬儀での儀式や儀礼は、土葬の時の慣習が残ったもので、お斎や精進上げなどは、一日の埋葬のお手伝いのお礼の食事会がそれにあたります。現在では無用に思えますが、奥様のご親戚に対しては、無用な誤解を招かないように、欠礼の理由などを述べて退席するのが、現代のマナーにかなっています。
Q8:香典の内訳について。叔父が亡くなり、告別式に参列しますが、夫は風邪が治らず弔電を送ります。その場合、
1-香典は夫婦二人分入れるのか、また、いくらにすればよいのでしょう。
2-不祝儀袋には夫の名前だけ書くのですか。
3-花代と香典を一緒に入れてよいのですか。
A8:
1・2-家長制度の名残から、○○家一同と書き、他の親族と話し合って、同額の横並びが良いでしょう。
3-受け取る叔父家族が明細を尋ねにくいので、別々に分けたほうが良いです。
Q9:主人が先に香典を渡した後、後から行く私は受付でどうすればよいのでしょうか?知人の通夜に夫婦、子供2人で参列しますが、主人は受付の手伝いで私たちより2時間早く行って、香典を渡しています。後から行く私たちは香典を持って行かないのですが、受付ではどうすればよいでしょうか?
A9:受付の仕事は、供物、弔電の受付と香典の管理と保管となり、葬儀社が受け付け、まとめることが多くなっています。多くの場合、通夜での香典の受付は、告別式当日に弔問出来ない方のための受付なので、特に通夜に持って行かなければならないことはありません。また、香典は個人単位でもないので、家族で一つにまとめて出してもかまいません。ご主人が先に香典を持って行かれ、受付を済ませているのなら、受付で挨拶を交わさず、式場に入ってもかまいません。先に持って行かれていない場合は、通夜でも告別式当日でも、差し支えありません。
Q10:家族葬に焼香したいのですが?5年前に定年退職した私が勤めていた時、お世話になった方が亡くなりました。でも、葬儀は「家族葬」で行うと伺いました。せめて、ご焼香だけでもと思うのですが、弔問は先方にはご迷惑でしょうか?
A10:家族だけの葬儀と云う文化が形成されてきたのは、ご近所の手伝いの必要が無くなり、社会へのお知らせも不要になってきたからでしょうか。でも、逆に、弔問に関しては自由な時に訪問できることになります。家族の都合の良い時に訪問されるのが良いでしょう。家族が望まれるなら、式への参加も可能でしょう。
費用についてのQ&A
Q11:喪主は香典を出すべきか?別居している実父が亡くなり、長男の私が喪主で、家族葬を執り行います。亡父は実の姉夫婦と生活しておりましたが、葬儀費用は亡父の遺産から出しますが、喪主の私は香典を出す必要がありますか?
A11:喪主は、その家の祭祀継承者第一順位の人で、仏式では葬儀、供養の采配は喪主が行うのが慣習になっています。昨今の家族葬では、葬儀費用は故人の財産の範囲内で行われるので、喪主が香典費用を負担することはありません、ただ、故人の遺産で賄えない葬儀費用は、喪主が残額負担となります。
Q12:生活保護受給者の母の葬儀費用の補助について。生活保護を受けて介護付きマンションに住んでいた84歳の母の葬儀費用には、市からどの程度の補助があるのでしょうか? 私と姉の二人で家族葬をと、考えているですが。
A12:お二人が生活保護者でない限り、役所では葬儀費用はお二人でお願いしますと云う対応になります。介護付きマンションに居住と云うことで、低年金による、生活保護支援を受けていたように思われます。要介護度と介護マンションの医師有無により、想定が変わってきます。医師不在の施設・病院での死亡では、死亡診断書費用(緊急検査費用を含めて数万円)が別途、必要となります。収入としては、国民健康保険より5万円と年金未支給2ヶ月分が支給されます。ただ、国民年金では交流証明として介護マンションでの第三者証明が求められます。また、お二人は扶養してなかったので、社会保険の適用は出来ないでしょう。
支出としては、生活保護の日割りでの返還、介護マンションの精算が必要となります。施設・病院で亡くなられた場合は、お二人の自宅か火葬場(安置料、葬儀会場使用料別途必要)、または葬儀社内への移動が求められます。その他として、宗教者や収骨の有無、埋葬費用などが掛かってきますので、インターネットなどで検索するなり、近隣葬儀社数社の見積もりを取ることなどをお勧めします。
Q13:自治体の葬儀補助について。母親が亡くなり葬儀費用が75万円かかりました。その後、役所から5万円が振り込まれましたが、少なすぎませんか?
A13:自治体、社会保険事務所から支給される補助金(給付金)は、葬儀費用に対してではなく、一律の金額が定められています。国民健康保険加入者の場合は、「葬祭費」として自治体より3~10万円の決められた金額が支給されます。社会保険加入者の場合は、「埋葬費」として社会保険事務所より故人の給与1ヶ月相当(最低10万円~最高98万円まで)が支給されます。社会保険加入者の扶養家族が亡くなった場合は、「家族埋葬料」として一律10万円が支給されます。いずれの手続きも申請期間は、故人が亡くなられた日から2年となっています。
Q14:低所得で葬儀費用が払えない場合はどうすればよいでしょう?どうしてもお葬式の費用が払えない場合はどうすればよいのでしょう? 私なりに調べてみると、生活保護やローン、クレジットカードなどの方法があるようですが、おそらく生活保護やローンは審査が通らないと思います。クレジットカードも持っていません。
A14:生活保護は受けず、年金収入のみで家族とは疎遠な1人か2人暮らしを想定してみました。低年金(例85,000円以下、2級地区地方)の場合は生活保護が受けられます。年金があるから受けられないと思っている方も多いようですが、一度相談してみてください。届出人が生活保護者であれば、役所より葬祭扶助が葬儀社へ直接支払われます。限度額(17万~21万)の中で行う必要があります。なお、お布施や納骨費用は含まれません。故人に財産(預金・現金)が有れば、そこから差し引いた不足額が扶助の対象になります。
例:20万円位の葬儀の場合-国民健康保険より5万円支給。年金未支給分(2ヶ月)、仮に月85000円×2ヶ月=17万円ならば、22万円以内と云うことで、故人の年金分より支払いが可能です。
ご自身の葬儀費用は、血縁3親等の内の相続人または縁者が支払うことになります。その方もいない場合は、行旅死亡人法、ならびに老人保護法により、市区町村長が執行代理人となって火葬後、市・村営共同墓地に埋葬されます。民生委員や地域包括支援センターに相談することをお勧めします。
その他のQ&A
Q15:遺体を自宅に運ぶ方法は?病院で他界した父を自分の車で自宅に運ぶのは、何か問題がありますか? 葬儀社に連絡して運んでもらうのが一般的だとは思うのですが。
A15:死亡診断書を持っていれば可能ですが、ご遺体を運ぶにはおんぶする必要が出てきます。その覚悟と、場合によっては体液が出ることもあるので、車を汚すことになるかもしれません。専門家に任せたほうが安心だと思います。
Q16:母が遺影写真を自分で決めたいと云って選んだのは、歯を出して笑っている写真でした、何年も前の若くて綺麗だった頃の写真を使うのは常識的ではないですよね?
A16:家族葬においての写真は若くても、笑っていても良いし、服装も気に入っているなら、そのままで良いと思います。写真のなかった時代は、先祖を思い出す方法は位牌しかありませんでした。そこで、戒名には故人の生前での生き方が書かれていて、 例えば、辛い農作業でも信心を忘れなかったから心男、心女などと名づけられたりします。家族や親族以外の弔問客が少なくなった現在では、祭壇に飾る一般的なお顔の写真より、日々の暮らしの中で生前を元気だった頃の姿を思い出す写真のほうが良いですよね。
いかがでしたか、
急なことでわからないまま済ませてしまうことの多い葬儀ですが、前もって疑問を解決していれば、心のこもった葬儀が出来ます。
是非、参考にしてみてください。